人気ブログランキング | 話題のタグを見る

カルヴァドス(Calvados)

・フランス北部のノルマンディー地方で、リンゴを原料に作られるブランデーのことを言う。

・ポンレヴェック(Pont l'Eveque)では、最高級のカルヴァドスが生産される中心地。

・中でも最高品質といわれているのがポンレヴェック村周辺のAOCカルヴァドス「ペイドージュ」(Calvados pay d'Auge)のもの。単式蒸留機で2回蒸留する。

・1997年のINAOによる規則変更に伴い、11個あったAOCが3つのAOC名称となったが、このペイドージュはほとんど修正されなかった。

・AOCカルヴァドス ドンフロンテ(Calvados Domfrontains)では、洋梨から造った酒を少なくとも30%添加することが出来る。

・カルヴァドス用のリンゴは48種類以上あり、果汁中のタンニンと酸により主に「甘味」「甘苦味」「苦み」「酸味」の4タイプに分けられる。

・約6.5kgのリンゴから、アルコール分5.5%のシードル5Lが製成する。計算上、1回目の蒸留でアルコール分28%の留液が1L採取される。2回目の蒸留でアルコール分70%の留液が0.4L取得される。


(・・・書きかけです)
# by sake_holic | 2006-10-09 14:00 | 蒸留酒

新甘辛度

■今までの甘辛度
Y=0.86S-1.16A-1.31
S=還元糖(g/dl)、A=酸度(ml)

(アル度17%、酸度1.8、還元糖4%の清酒を甘辛度0として、酸度1.4~2.3、還元糖0~6.5%に調製した試料を評価した結果に基づいている)

■問題点
1.甘辛を何区分に分けるのか?
  
2.この式による甘辛度では、現在の市販酒のほとんどが辛口(マイナス値)に分類され、実感と異なってしまう。

■試験結果
1.市販清酒の甘辛は4区分に分けられる。

2.新甘辛度式は
  AV=G-A
  G=グルコース(g/dl)

この新甘辛度AVは、以前の甘辛度Yと異なり、マイナス側が辛口、プラス側が甘口を意味する物ではない。また、以前は日本酒度と酸度から甘辛度を計算する式が存在したが、今回の結果では日本酒度の寄与率が低いため換算できない。

3.AVが0.2以下を辛口、0.3~1.0をやや辛口、1.1~1.8をやや甘口、1.9以上を甘口と定義する。

4.純米酒は「辛口」「やや辛口」が多く、一般酒は「やや甘口」「甘口」が多く、吟醸酒及び本醸造酒はその中間。
 
*参考文献 醸造協会誌(2004.12)
# by sake_holic | 2006-10-02 22:09 | 清酒

ポリフェノールってなんなのさ

抗酸化力が強いとかワインに沢山入ってるとか、そういうことで有名なポリフェノール。
(一部語弊はありますが)
で。
「ポリフェノールって、結局なんなの?」
という質問をされることが多いので、簡単にまとめてみる。

■ポリフェノールって?
・直訳すると多価フェノール。
「分子内に数個以上のフェノール性水酸基を持つ植物成分の総称」
と定義される。フェノール性水酸基ってのは、ベンゼン環にくっついてる「-OH」のこと。

・植物成分中では、セルロース、ヘミセルロース、リグニンなどに次いで多く存在する。その種類は4000~7000種類とも言われている。

■分類すると?
良い図がないので自分で作った。参考文献は「食品と開発 Vol.40 No.6」。
モノマーとポリマーについてはこちらを参照。

ポリフェノールってなんなのさ_d0062607_148418.jpg


有名どころには下線をつけてみた。カテキン、アントシアニンあたりは聞き慣れてるでしょう。

■赤ワインに含まれるポリフェノールについて
一応アルコールブログなので。

赤ワインに含まれるポリフェノールの由来は以下の通り。
・果皮 25~50%(アントシアニン類、フラボノイド類、リスベラトロールなど)
・果汁 2~5%(カフタリック酸、クータリック酸、ヒドロキシ安息香酸類など)
・種子 50~70%(カテキン類、プロアントシアニジン、タンニンなど)
パーセンテージは文献によって微妙に違うのですがね…。
ワインのポリフェノール=アントシアニンって思われがちですが、実はそうでもないという話。
アントシアニンが多いのはブルーベリーとかカシスとか。

抗酸化活性の主体はアントシアニンのオリゴマーやポリマー。この辺りはワインの熟成にも関係。
ワインの赤色はアントシアニンモノマーに由来する。熟成が進むとオリゴマーやポリマーが生成され、6~10年も経つとモノマーはほとんど存在しない。ワインが枯れた色になるのはそういうわけです。またアントシアニンモノマーがカテキン類と反応することによって更に高活性オリゴマーやポリマーが作られると考えられている。

ついでに。
アントシアニンモノマーがタンニンと重合して大きな分子となったり、更にこれがタンパク質と結合して不溶性の沈殿になったものが澱。色素の多いワインを作ろうとしてむやみに抽出すると、アントシアニン色素だけでなくタンニンも多くなってしまう。結果、アントシアニン-タンニン複合体が沢山出来ることになり逆に色が薄くなることもある。
# by sake_holic | 2006-09-28 01:49 | ワイン